クレムリン

ボードゲーム「クレムリン/Kremlin」の紹介で、ルールの概略を説明しています

”当作品の画像の著作権は、
 Urs Hostettler氏、Fata Morgana Spiele社に帰属します”

邦題 クレムリン
洋題 Kremlin
作者 Urs Hostettler
作者の作品 ・私の世界の見方 (2004)
・ティシュー (1991)
・クレムリン (1986)
など
国内取扱メーカー ニューゲームズオーダー
発売年 ・原作 1986
・日本語版 2014
定価 6000
プレイ人数 3 – 6
BGG ベスト人数 5 – 6 (推奨: 4 – 6 )
プレイ時間 20 – 120
対象年齢 50 以上
BGG プレイ感 2.83 / 5
BGG 評価 7.0 / 10
BGG 全体ランキング 770 / 約13000
BGG ジャンルランキング ストラテジー: 466 / 約1600
・テーマ: 190 / 約850
BGG カテゴリー 交渉、政治
BGG メカニズム ユニット隠匿配置、投票
その他要素 正体隠匿

※上記データは 2017/07 時点 最新BGGへ

 

 

1986年に発売され、ソ連の政治局員をテーマとした渋いボドゲです

対象年齢は脅威の五十路以上

(Wikipedia: クレムリン ソビエト連邦共産党 ソビエト連邦

 

 

 

「キングアップ(王位継承)」を複雑にしたような印象です

メインボード2枚がありまして、

 

 

 

 

 

様々な人物が描かれたカードが、

 

 

 

 

 

乗せられています

一番上の段(写真左上の方)の人物が政治局員のトップである書記長、

その下の段の3人が一級局員であるKGB長官・外務大臣・国防大臣、

その下の段の4人が二級局員であるイデオロギー担当書紀・産業大臣・財務大臣・スポーツ大臣、

その下の段の5人が局員候補、

最下段に重ねられているのは人民です

 

各プレイヤーは用紙1枚を受け取ります

先程の人物カードの名前が列挙されていますので、好きな人物に10人に1〜10の数字を1つずつ割り振っていきます

この数字は影響力を表しています

意味はこの後説明します

用紙はゲーム終了時まで非公開です

 

ゲーム中は各プレイヤーの思惑によって、人物タイルが様々に動きます

時にはあらぬ容疑を掛けられて失脚させられたり、過度のストレスを受けて病気及び死亡させられたり、組織票により出世していく輩がいたり

 

 

書記長がとある行動を起こす度にその人物タイル上に星トークンが1個置かれるのですが、

 

 

 

 

基本的には星が3つ置かれたらゲーム終了です

時間切れによる終了もあります

終了したら各プレイヤーは用紙を公開し、現在の書記長の人物名に割り振っている影響力を比べ、より高く割り振っているプレイヤーが勝者です

影響力にはもう1つ重要な要素があるのですが、この後説明します

 

 

 

 

ゲームの流れ

このゲームでは、手番は各プレイヤーへ順番には巡っていかず、写真のこの政治局員達に対して手番がまわっていきます

各プレイヤーは担当する人物は特に決まっていません

ではどうするかと言いますと、

 

ゲーム開始時にシートに書いた影響力を使います

影響力はゲーム終了まで非公開なのですが、ゲーム中に(基本的にはいつでも)公開する事が出来ます

全てを公開する必要はなく、任意の人物・任意の影響力を公開(宣言)できます

 

例えば、現在外務大臣のウランスキーには(自分のシート上では)影響力5を割り振っていたとして、ゲーム中に

「はい、外務大臣のウランスキーへの影響力3を公開します」

などと宣言します

 

 

公開したら目印としてその数分の(担当色の)影響力トークンを置きます

人物タイル上にあるこのトークンの数が一番多いプレイヤーが、その人物の手番を行う事が出来るのです

 

 

 

時には競りのような状況にもなったりします

「書記長への影響力3を公開します」
「ならば私は書記長へ4を公開します」
「それなら5を」

といった感じです

 

 

 

ゲームは最大で10ラウンド行います

1ラウンド分は次の8つのフェイズを順に実行していきます

 

フェイズ1: 療養

各政治局員に、療養するかどうかを決める為の手番が一巡まわります

人物タイル上に病気を示す赤キューブが置かれる事があるのですが、これが3個になった瞬間にその人物はお亡くなりになってしまいます

(その人物タイルが取り除かれてそこのポストが空く)

療養する事にした場合、後のフェイズ4にて赤キューブを取り除ける可能性が上がります

但し、療養すると今回のラウンド中は何も出来なくなります(フェイズ4を除く)

 

 

 

フェイズ2: パージ(粛清)

KGB長官のみが手番を行います

手番では、任意の政治局員をシベリア送りにしてポストから引きずり下ろす事が出来ます

 

 

 

 

但しダイスによる成否判定が必要で、ポストが上位な程に成功させるのが難しくなります

 

 

 

 

 

 

 

フェイズ3: スパイ調査

国防大臣のみが手番を行います

 

フェイズ3−1: 告発

この後のフェイズ3−3にて、嫌疑マーカー(黒ミープル)を任意の政治局員に乗せられるのですが、そのマーカーが乗っている政治局員に対して告発する事が出来ます

告発したら、各政治局員は有罪か無罪かを投じていきます

有罪が多ければ、シベリア送りとなって失脚させられます

 

 

フェイズ3−2: 有罪宣告

”局員候補”の人物の中から任意の1人を、問答無用でシベリア送りに出来ます

 

 

 

 

 

 

フェイズ3−3: 嫌疑

先述しましたが、嫌疑マーカーを任意の政治局員に乗せられます

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイズ4: 健康チェック

各政治局員に手番が一巡まわります

手番ではダイスを振り、

 

 

 

 

 

出目をこの表に照らし合わせて、病気の赤キューブを取り除いたり、追加で乗せる事になったり、一発で急死してしまったり、などの処理を行います

 

 

 

 

フェイズ1にて療養を選んでいると、判定が甘い方の表を使えます

 

 

 

 

 

各政治局員には年齢の概念があって注射器にて表され、

 

 

 

 

 

ゲーム中にも歳をとっていきます

各フェイズでの手番のアクションは複数回行えることが多いのですが、回数を重ねる程に老いてしまいます

高齢になる程、先程の健康チェック表での判定で病気になる可能性が高くなっていきます

因みにこの歳は実年齢ではなく、身体の老いの具合を示す歳となっていますので、全員バラバラに加齢していきます

 

 

 

フェイズ5: 書記長の選出

書記長のポストが空いている場合に限り、このフェイズを行います

外務大臣が”一級局員”の中から1人選び、各政治局員は賛成か反対を投じていきます

賛成が多ければその人物は書記長に昇格します

 

 

 

 

 

 

フェイズ6: 人事異動

 

フェイズ6−1:

書記長が人事異動を行います

同階級内で配置換えをしたり、昇格や降格をします

 

 

 

 

 

 

 

フェイズ6−2:

各一級局員が昇格のみの人事異動を順に行います

 

 

フェイズ6−3:

各二級局員が昇格のみの人事異動を順に行います

 

 

 

フェイズ7: シベリアからの復帰

各政治局員に手番が一巡まわります

手番では、シベリア送りになっている人物タイルを、人民スペースへと移せます

 

 

 

 

 

 

 

フェイズ8: 10月革命記念パレード

書記長のみが手番を行います

手番では、演説台で無事に手を振れたかどうかを、ダイスを振って判定します

病気の赤キューブが多く乗っている程に判定が厳しくなります

 

 

 

判定をクリア出来たら、星トークン1個が乗せられます

 

 

 

 

 

 

 

 

以上の8つのフェイズを行ったら1ラウンド分が終了です

ラウンドを続け、書記長に3つの星トークンが乗るか、10ラウンド行ったらゲーム終了となります

終了後に、各プレイヤーは現書記長の人物の影響力を公開し、より高く割り振っているプレイヤーが勝者です

 

 

ルールはこんなところでしょうか

歴史好きな方はより一層楽しめるかと