シニョーリエ

ボードゲーム「シニョーリエ/Signorie」の紹介で、ルールの概略を説明しています

”当ページは、Andrea Chiarvesio氏、Pierluca Zizzi氏、What’s Your Game?社、が権利を所有する著作物を利用しております。
© Andrea Chiarvesio, © Pierluca Zizzi, © What’s Your Game?

邦題 シニョーリエ
洋題 Signorie
作者 ・Andrea Chiarvesio
・Pierluca Zizzi
作者の作品 【Andrea Chiarvesio】
・ダンジョンヒーローマネージャー (2016・Pierluca Zizzi共作)
・シニョーリエ (2015・Pierluca Zizzi共作)
・ヒュペルボレア (2014・Pierluca Zizzi共作)
・キングスポートフェスティバル (2014・Gianluca Santopietro共作)
・キングスブルグ、キングスバーグ (2007・Luca Iennaco共作)
など
【Pierluca Zizzi】
・ダンジョンヒーローマネージャー (2016・Andrea Chiarvesio共作)
・シニョーリエ (2015・Andrea Chiarvesio共作)
・ヒュペルボレア (2014・Andrea Chiarvesio共作)
・アスガルド (2012)
など
国内取扱メーカー ホビージャパン
発売年 2015
定価 7992
プレイ人数 2 – 4
BGG ベスト人数 4
プレイ時間 60 – 120
対象年齢 12 以上
BGG プレイ感 3.61 / 5
BGG 評価 7.5 / 10
BGG 全体ランキング 628 / 約13000
BGG ジャンルランキング ストラテジー: 328 / 約1600
BGG カテゴリー ダイス、ルネサンス
BGG メカニズム ダイスロール、セットコレクションワーカープレイスメント
その他要素
エラッタなど 公式サイトへ

※上記データは 2018/06 時点 BGGへ

 

 

What’s Your Game? の作品です

このメーカーが出す作品は、とてもゴチャゴチャしていて、初心者お断りのヘビーゲーマーズゲームであると定評なのですが、この作品も例に漏れません

さぁ、覚悟して下さい

それでは、いきますよ

 

 

時は中世、私達はそれぞれ一族の長となって政略結婚や他の一族を助けたりして、より影響力を強めていく事が目標です

・シニョーリエ: weblio

 

 

ゲーム終了時に 勝利点 がより多いプレイヤーが勝者です

勝利点要素は、主に次の4つあります

 

勝利点1: 専門家の派遣

こちらがメインボードでして、

 

 

 

 

 

中央にマップがあり、

 

 

 

 

 

都市が全部で5つ分描かれています

(ゆ、指がつる・・・!)

 

 

 

 

このような他一族の名家の家紋を示すタイルがありますので、

 

 

 

 

 

各都市に2枚ずつ並べられます

 

 

 

 

 

に置かれた家紋タイルは、その一族が政略結婚の相手(女性)を求めている事を示しています

ベージュ色の女性ミープルが描かれていますね

 

 

 

に置かれた家紋タイルは、その一族が専門家(男性)を必要としている事を示しています

緑色の男性ミープルが描かれていますね

 

 

 

メインボード右側には、専門家トラックがあります

縦3本分(3職分)のトラックになっていて、左から、政治家、聖職者、軍人のトラックです

 

 

 

各プレイヤーは、担当色のこのような男性・女性ミープルを持っているのですが、

 

 

 

 

ゲーム中に男性ミープルを専門家トラックへ置き、上へ上へと進ませていきます

男性ミープルをいずれかの職業に就かせて、レベルを向上させていっている訳です

 

 

そして「専門家を派遣する」というアクションを行う事によって そこから男性ミープル1個を取り、

 

 

 

 

都市へ配置する事で、

 

 

 

 

 

右側の「専門家(男性)を必要としている一族」を助けた事になり、右側のその家紋タイルを獲得出来ます

獲得出来ない可能性もあるのですが、それは後述します

この家紋タイルに勝利点が描かれていますので、その数字分の勝利点を得られるのですが、これもあくまで「得られる可能性がある」となります

詳しくは後述の「勝利点4」の項目で説明します

 

専門家男性ミープルを専門家トラックから取り上げた時の話ですが、トラックの各マスの右上には数字が描かれています(見づらいですが)

取り上げた時に、その数字分の勝利点が得られます

勿論 トラックの上側のマスほど、得られる勝利点も大きいです

 

 

 

勝利点2: 派遣し損ねてしまった専門家

ゲーム終了時に、まだ専門家トラックに残っている(派遣し損ねてしまった)各男性ミープルは、そのマスの勝利点の半分の点数しか得られません

ですので、基本的には終了時にはきっちりと派遣し切った方がいいです

 

 

 

 

勝利点3: 政略結婚

「政略結婚」というアクションを行う事で、手持ちの女性ミープル1個を都市へ配置でき、

 

 

 

 

左側の「政略結婚の相手(女性)を必要としている一族」を助けた事になり、左側のその家紋タイルを獲得できる可能性があります

前述したように 家紋タイルに描かれている勝利点も、やはり「得られる可能性がある」という事になります

 

 

女性ミープルを都市へ配置した時なのですが、お金をいくらか支払う必要があります

ただ、その支払った額に応じて勝利点が得られます

 

 

 

 

 

勝利点4: 他一族を助けた実績

こちらが個人ボードでして、

 

 

 

 

 

右側には専門家(上から政治家・聖職者・軍人)と政略結婚のマスが描かれています(以降実績マス)

 

 

 

 

獲得した家紋タイルは、その各実績マスの右側へ並べていく事になります

例えば、専門家である軍人を派遣して獲得した家紋タイルは、軍人の実績マスの右側に並べます

同じように、政略結婚により獲得した家紋タイルは、政略結婚の実績マスの右側に並べます

 

家紋タイルの裏面には勝利点1点の弱小な家紋が描かれていて、表面に比べて微々たる勝利点になっているのですが、

 

 

 

 

ゲーム中には、先述したような「都市から家紋タイルを獲得してくる」以外にも、「サプライから裏面のまま獲得してくる」という獲得方法もあります

 

 

 

 

裏面で獲得した場合は、表面にはせずに裏面のまま実績マス右側へ並べる事になります

ゲーム終了時には、この並べられた各家紋タイルに描かれた勝利点が手に入るのですが、1つの横列に家紋タイルが3枚以上並べられていないと その家紋タイルの勝利点は手に入りません

2枚以下だと せっかく集めた家紋タイルが0点になるのです

 

例えばこのような状況ですと、1段目と3段目は家紋タイルが3枚以上ありますので、家紋タイルに描かれた勝利点がゲーム終了時に得られます

2・4段目は、3枚以下なのでゲーム終了時には勝利点は0点です

 

 

あと、都市に置かれている家紋タイルを獲得出来ない可能性があるとお話しましたが、各実績マスには家紋がいくつか描かれていまして、その家紋と一致する家紋タイルでないと そこの実績マス右側へは並べられないのです(=都市から獲得してくること自体が不可能)

 

 

しかも、実績マスに描かれた家紋1つにつき それと一致する家紋タイルは1枚しか並べられない為、例えば同じ種類の家紋タイルを4枚も5枚も並べる事が出来ない訳です

 

 

 

裏面のままの家紋タイルであれば 1つの実績マスへ何枚でも並べられる為、「3枚以上ないと得点加味されない」という条件をクリアする為の枚数稼ぎに使える訳です

 

 

 

 

主な勝利点要素は以上の4つです

 

 

 

 

ゲームの流れ

全7ラウンドを行ってゲーム終了となります

1ラウンド分は、次の3つのフェイズを順に行っていきます

 

フェイズ1: 準備

準備フェイズですので、プレイヤーの選択権は特にありません

 

マップの各都市へ家紋タイルが補充されます

 

 

 

 

 

このような業務タイルというものが、

 

 

 

 

 

メインボード左側の中央辺りに並べられます

 

 

 

 

 

そのすぐ下のマスには、マスの色と同色のダイスが並べられますので、

 

 

 

 

 

代表者が各色の全ダイスを振っていきます

 

 

 

 

 

 

 

フェイズ2: アクション

アクションを行うメインとなるフェイズです

手番が最大で4巡まわります

手番で出来る事は、アクション を行うか、ハードパス するかの2択になるのですが、全員がハードパスをしたらこのフェイズは終了になります

 

それでは アクションのやり方ですが、まずメインボード上の任意のダイス1個を取り、

 

 

 

 

そのダイスを、個人ボード上側の同色のマス(以降メインアクションマス)に置きます

そしてそのマスに描かれているアクションを行うのですが、その前に、

 

 

 

各メインアクションマスには数字が描かれていて、左のマスから「1・2・3・4・5」となっています

これはそのアクションのコストでして、ダイスを置く時にはその数字分のお金を支払わねばなりません

 

 

但し、置いたダイスの出目の数の金額分だけ コストが値引きされます

「なーんだ、出目が高い方が有利なゲームかー」と残念に思った方、安心して下さい

小さい出目を取ってくる事にも重要な意味がありまして、それは後述します

写真では、赤のメインアクションマス「2」の所に、赤ダイスで出目が「3」のものを置こうとしています

この場合、コストは0になります(お釣りの1金は貰えません)

もし赤ダイスの出目が「1」であったのなら、コストは1金となります

 

コストを支払ったら アクションを行います

各メインアクションマスには それぞれ3つのアクションが描かれていますので、その内の任意の1つを実行します

通常はこれにて手番終了となるのですが、

 

各メインアクションマスの下側の背景がベージュ色のこのマスの部分は従者アクションマスといい、

 

 

 

 

このような錠剤が・・・じゃなかった、従者ディスクが、

 

 

 

 

 

従者アクションマスに置かれているのであれば、そのマスの真上のメインアクションマスを実行した時に、併せて従者アクションも行えます

(写真では、赤メインアクションを行った時には、その真下の指し示している従者アクション2つが 併せて発動します)

上から下のマスへ向かって順番にアクションを実行していきます

 

 

メインアクションも従者アクションも終わったら手番終了です

これを最大4巡 手番をまわし(4巡終わったら必ず全員がハードパスとなる)、全員がハードパスをしたらフェイズ終了です

 

あ、あと 各メインアクションマスには ダイス1個ずつしか置けません

(次のラウンドになると取り除かれます)

また、置いた出目の合計値も重要な要素になってくるのですが、それはこの後説明します

 

 

 

フェイズ3: 後処理

後処理フェイズですので、プレイヤーの選択権はほぼありません

 

メインボード右寄りの上側に 手番順トラックがあり、

 

 

 

 

 

その下側には 手番順を決める為のイニシアチブトラックがあります

 

 

 

 

 

このフェイズでは、イニシアチブトラックを進めている順で手番がまわるように、手番順トラックを入れ替えます

 

 

 

 

そしてイニシアチブトラックの全マーカーが一番下へ戻されます

 

 

 

 

 

次に報酬の処理です

このような報酬が描かれたタイルが、

 

 

 

 

ゲーム開始時に メインボード左下辺りに並べられます

左から、1ラウンド目の報酬、2ラウンド目の報酬、3ラウンド目の報酬、という具合になっており 全7ラウンドですので7枚並べられています

これら報酬を得るには条件がありまして、

 

先程のフェイズ2で 個人ボード上に置いたダイスの出目の合計値が13以下であれば、そのプレイヤー全員は報酬を得る事が出来るのです

ですので 小さい出目にもしっかりと価値があり、悩ましくも面白いシステムになっています

 

 

 

以上の3つのフェイズを行ったら1ラウンド分が終了です

ラウンドを続け、全7ラウンド行ったらゲーム終了

勝利点がより多いプレイヤーが勝者です

 

 

アクションについて

ざっくりとアクションを紹介しますと、

これは お金を得ます

 

 

 

 

 

これは 専門家トラックやイニシアチブトラックを進められます

 

 

 

 

 

これは 専門家派遣アクションが出来ます

 

 

 

 

 

これは 政略結婚アクションが出来ます

 

 

 

 

 

これは 従者ディスクを置けます

 

 

 

 

 

これは メインボードに並べられた業務タイルの恩恵を得られるアクション

コストとして 男性・女性ミープルが必要になります

 

 

 

これは 子孫を増やすアクションでして、

 

 

 

 

 

実は 担当色の男性・女性ミープルは サプライ に置かれていて、ミープルを使うには、まずサプライから獲得して 所持ミープルとしなければなりません

で、そのサプライからの獲得方法なのですが、

 

 

個人ボード左側には自分の一族の男性陣が描かれていて、

 

 

 

 

 

妻である この白の妻ミープルが置かれていれば、その男性は結婚している事になり、

 

 

 

 

子孫を増やすアクションをした時には、夫婦1組につき この白ダイス1個を降る事ができ、

 

 

 

 

白ダイス1個につき 出目が1~3なら女性ミープル1個が、4~6なら男性ミープル1個を獲得できます

現実に即した面白いシステムですね

しかし双子や三つ子はこの世界では産まれないみたいです

因みに、任意の性別のミープルをサプライから獲得できる”養子獲得アクション”や、所持ミープルを性転換させられるアクションがあったりもします

 

白の妻ミープルは、基本的にラウンド終了時の報酬(今回ラウンドで取ってきたダイスの合計値が13以下が条件)でしか増えませんので、取ってくるダイスの出目はかなり重要になってきます

 

 

 

 

ルールはこんなところでしょうか

 

 

いかがだったでしょう

これが What’s Your Game? の作品です(笑)

ルール量は多く、アクションの種類がかなり多くて覚えるのに多少苦労しますが、それを乗り越えれば至高の時間を提供してくれる作品でしょう

手番でやる事は意外にシンプルなのに悩ましく、とてもやり応えのある、ハンドマン的にはイチ押しのゲーマーズゲームです!

中級者以上で、重量級 ゲームに抵抗が無くなってきた方は、是非一度はプレイしてみて下さい

あまり話題に上がらない作品のように思いますので、隠れた名作だと 私は勝手に思い込んでいます(笑)