ボードゲーム「スルー・ジ・エイジズ 新たなる文明の物語/Through the Ages: A New Story of Civilization」の紹介で、ルールの概略を説明しています
”当ページは、Vlaada Chvátil氏、Czech Games Edition社、が権利を所有する著作物を利用しております。
© Vlaada Chvátil, © Czech Games Edition”
邦題 | ・スルー・ジ・エイジズ 新たなる文明の物語 ・スルー・ジ・エイジズ 文明の新しい物語 ・スルー・ジ・エイジズ |
洋題 | ・(原作)Through the Ages: A Story of Civilization ・(リメイク)Through the Ages: A New Story of Civilization |
作者 | Vlaada Chvátil (ヴラーダ・フヴァチル) |
作者の作品 | ・コードネーム (2015) ・タシュ=カラール (2013) ・ダンジョンペッツ (2011) ・メイジナイトボードゲーム (2011) ・ピクトマニア (2011) ・ダンジョンロード (2009) ・スペースアラート (2008) ・ギャラクシートラッカー (2007) ・スルー・ジ・エイジズ (2006) など |
国内取扱メーカー | ニューゲームズオーダー |
発売年 | ・原作 2006 ・リメイク海外版 2015 ・リメイク日本語版 2016 |
定価 | 8640 |
プレイ人数 | 2 – 4 |
BGG ベスト人数 | 3 (推奨: 2 – 4 ) |
プレイ時間 | 120以上 |
対象年齢 | 14 以上 |
BGG プレイ感 | 4.34 / 5 |
BGG 評価 | 8.7 / 10 |
BGG 全体ランキング | 2 / 約13000 |
BGG ジャンルランキング | ストラテジー: 2 / 約1600 |
BGG カテゴリー | カードゲーム、文明、経済 |
BGG メカニズム | アクションポイント制、オークション、カードドラフト、ハンドマネジメント |
その他要素 | 文明発展系(シヴィ系) |
エラッタなど | 公式サイトへ |
※上記BGGデータはリメイク作の方で、2017/10 時点
※BGGへ: リメイク作 原作
文明発展ゲーム、いわゆるシヴィ系の超 重量級 ゲームです
作者はヴラーダ・フヴァチル氏で、今回のような超重量級ストラテジーゲームを作ったり、誰でも楽しめるパーティーゲームや、変な世界観のネタのようなゲーム、リアルタイムゲームなど、偏りのないとても多様な作品を作る方で 面白いものが多く、私の大好きなデザイナーさんです
ゲームでは自分の国を拡大していき、ゲーム終了時に 勝利点 がより多いプレイヤーが勝者です
こちらが勝利点を示すボードでして、2つ分のトラックがあります
下の一段分が、自分の手番終了毎にいくつの勝利点を得られるのかを示したトラックです
例えば、ここの値が6になっていれば、自分の手番が終わる毎に毎回6勝利点が得られるのです
このトラックは文化力を示すものですので、文化的な建物を建てる事で値を上昇させられます
その他の勝利点を得る方法は、戦争で相手から勝利点を奪ったり、イベント的な効果で「生産施設の数だけの勝利点を得る」などの条件達成による獲得方法があります
ゲームの流れ
時代が「A→ Ⅰ→ Ⅱ→ Ⅲ→ Ⅳ」と進んでいきます
各時代の山札があり、時代AではAの山札を使い、それが尽きたら時代Ⅰへ移ってⅠの山札を使い始め、それが尽きたら時代Ⅱへ移ってⅡの山札を使い始め、という具合に進めます
Ⅳの山札だけは無くて、時代Ⅳに入ったら全員が同じ手番数分だけ行ってゲーム終了となります
ですので時代Ⅳはすぐに終わり、また時代Aも短めですので、実質約3.5時代分しかありません
次プレイヤーの手番の始めに(=各自の手番開始時に)、左の方のカードが除外され、
このようにしてカードが流れていき、時代が進む事になります
ゲーム終了となるまで手番が巡り続けますので、手番では様々なアクションを 所持アクション数分まで実行する事が出来ます
右側にオレンジの枠があり、そこに最初は白キューブ4個と赤キューブ2個が置かれています
このキューブ数が所持アクション数です
白は政治的なアクションを行う時に使い、赤は軍事的アクションで使います
アクション内容はこの後説明しますが、例えば政治的アクションで2アクション分を行ったなら、2個の白キューブを個人ボードの外に出します
軍事的アクションで1アクション分を行ったなら、1個の赤キューブを外に出します
そんな感じで手番時に どんどんキューブを使い、やれる事が無くなったら手番終了を宣言します
手番終了したら全キューブが個人ボード上へと戻されて、次の手番ではまた白4個・赤2個を使えるようになります
因みにこのオレンジの枠の上にオレンジのカードを置く事で、以降の所持キューブはそのカードに示されたキューブ数に変わりますので、所持キューブ数はゲーム中に増減します
それではアクションの種類についていくつか
アクション1: 場札を取る
コストは白キューブ1〜3個でして、右の場札ほどコストが高くなります
アクション2: 偉人カードを出す
カードの中には偉人が描かれたものがありますので、手札から1枚出すと手元に残り続け、永続的に恩恵を得られます
コストは白キューブ1個
アクション3: アクションカードを出す
手札から これを出して効果を解決し、捨札にします
コストは白キューブ1個
アクション4: 技術カードを出す
左上に電球アイコンがあるものが技術カードでして、生産施設や兵隊や文化施設などが描かれています
手札から これを出す時のコストは白キューブ1個に加えて、カードの電球アイコンの数字の科学点も支払わなければなりません
こちらのボードの上段のトラックが現在の科学点を示し、下段のトラックが自分の手番終了毎にいくつの科学点を得られるのかを示したトラックです
例えば、下段トラックの値が6になっていれば、自分の手番が終わる毎に毎回6科学点が得られるのです
科学施設を建てる事でこの値を上昇させられます
個人ボードの上側には兵隊や生産施設などが描かれていますので、
手札から出した技術カードは、同じ種類のところへ少しずらして配置します
ただ、配置しただけではまだそのカードの効果は得られません
効果を得るには、個人ボード下側にある黄キューブをカード上に乗せる(=アクション6)必要があります
例えば、兵隊の上に黄キューブが2個乗っていれば、その兵隊を2つ分持っている事になります
例えば、麦の生産施設の上に黄キューブが3個乗っていれば、その施設を3つ分持っている事になります
重ねていく技術カードはより高いレベルのものなのですが、先述したようにカードを置いただけでは持っている事にならない為、
個人ボード下側の黄キューブから取ってきて、高レベルの技術カード上へ置いたりしていきます
(厳密には下側から直接は取ってこられないのですが)
アクション5: 使える黄キューブを増やす
個人ボード下側の黄キューブはまだ自由に使えないものでして、コストとして白キューブ1個と麦をいくつか支払えば、下側から黄キューブ1個を取ってきて、
この労働者 プール という枠に移します
このプールにある黄キューブが自由に使えるものになりますので、ここから生産施設や兵隊の上に移してその施設などを”持っている”扱いにする訳です
アクション6: 施設を建てる、軍を増強する
コストは白や赤キューブの他にも、鉱石が必要だったりします
アクションは大体こんなところでしょうか
あと手番の初めには他プレイヤーへ戦争を仕掛けたり、恫喝したり、またイベントカードを使って全員へイベントを起こす事も出来ます
戦争や恫喝は簡単なもので、単に現在の戦力値を比べて勝敗を決め、勝者は敗者から色々奪うというものです
もう少し詳しく言うと、
戦争は1手番分後で処理されるのでその間に準備して戦力差をひっくり返す事が可能で、
恫喝はすぐに処理が発生するが恫喝された側はカードを使って戦力を一時的に増強させる事が出来ます
戦争をしても特段コストを支払う必要もなく、兵隊を失って戦力が下がったりする事もありません
手番の終了時には生産施設から資源が生み出されたりしますが、
資源を多く持ち過ぎていたらいくつか捨てなければならなかったり、
娯楽施設を建てていなかったら民の幸福度が下がって暴動が起き、そもそも資源が産出されなくなるなど、
管理が大変でヒィヒィ言いながら楽しめます
手番を続け、時代Ⅳが終わったら手番終了
勝利点がより多いプレイヤーが勝者です
ルールはこんなところでしょうか
あまり魅力を伝え切れなかった感があって申し訳ないのですが、ただBGGで2位というのは伊達ではなく、とてつもなく面白いです
シヴィ系好きや、ストラテジー好きなら高確率でストライクゾーンに入るのではないでしょうか
ネックとしては、インスト1時間、プレイは1人辺り90分、と長時間になる事と、
戦争でのプレイヤーへの直接攻撃があり、しかも武力がより低いプレイヤーへ攻め込む程に有利になる、という弱者叩きが推奨されているシステムな為、合わない人も勿論いると思います
途中で投了してゲームから脱落出来る為、遊ぶ時は軽いソロゲームや2人ゲームを用意しておいて、脱落したプレイヤーはそれで時間を潰すとよいと思います
ボドゲ中級者以上なら一度は遊んでみる事を強くおすすめします
あそうだ
「ロール・スルー・ジ・エイジズ」という似た名前の作品がありますが、全く関連性のない別ゲームですので気をつけて下さい