ボードゲーム「504」の紹介で、ルールの概略を説明しています
”当作品の画像の著作権は、
Friedemann Friese氏、2F-Spiele社、Arclight社に帰属します”
邦題 | 504 |
洋題 | 504 |
作者 | Friedemann Friese (フリードマン・フリーゼ) |
作者の作品 | ・504 (2015) ・テラ ~私たちの地球 (2014) ・フレッシュフィッシュ新版 (2014 旧版は1997) ・5本のキュウリ (2013) ・大家はつらいよ (2013) ・ラクラク大統領になる方法 (2012) ・ロビンソン漂流記 (2011) ・ファミリア (2010) ・ビール侯爵 (2010) ・ファクトリーマネージャー (2009) ・ファウナ (2008) ・電力会社 (2004) ・思わぬ拾い物 (2002) など |
国内取扱メーカー | アークライト |
発売年 | ・原作 2015 ・日本語版 2017 |
定価 | 9504 |
プレイ人数 | 2 – 4 |
BGG ベスト人数 | 4 (推奨: 2 – 4 ) |
プレイ時間 | 30 – 120 |
対象年齢 | 12 以上 |
BGG 重さ具合 (高い程重量級) |
3.33 / 5 |
BGG 評価 | 6.6 / 10 |
BGG 全体ランキング | 1744 / 約13000 |
BGG ジャンルランキング | ・ストラテジー ゲーム: 836 / 約1600 |
BGG カテゴリー | アブストラクト、動物、建物建築、経済、探検、農業、産業/製造業、レース、領土拡大、輸送、旅、ウォーゲーム |
BGG メカニズム | エリアコントロール、エリア包囲、エリア移動、競り、商品投機、ダイスロール、マス移動、Hex-and-Counter、モジュラーボード、ピック&デリバリー、途中脱落、ポイント間移動、ネットワーク建築、セットコレクション、持株、Take That、タイルプレイスメント、可変フェイズ |
その他要素 | 緑 |
※上記データは 2017/02 時点 最新BGGへ
※ 初見だと説明書の読み解き方がとにかく分かり辛いと感じた為、前代未聞ですがその点も含めて説明しています
作者フリードマン・フリーゼ氏の、なんと504通りの遊び方がある驚愕の作品です
モジュールと呼ばれる、いわばゲームシステムが9つ用意されていて、その中から3つを選んで組み合わせ、1つのゲームとして遊ぶ、という聞いたこともない斬新なシステムになっています
モジュールは、例えば、
- モジュール1が「輸送」で、必要とされている物資を送り届ける、いわゆるピック&デリバリーのシステムで、
- モジュール4が「軍事」で、他プレイヤーを直接攻撃して優位性を得ていくようなシステムで、
- モジュール8が「生産」で、資源を産出していくシステム、
などといったモジュールがあります
例えば上記3つのモジュールを組み合わせて遊ぶことにした場合、
「他プレイヤーを攻撃しつつも、物資を産出して、それを需要がある所へ送り届ける」
という感じのゲームになる訳です、たぶん(まだ実際に遊んでないのです、すみません)
モジュールを3つ選ぶ時に、選んだ順番も重要になってきます
1番目に選んだものをスロットⅠと言い、ゲーム勝利条件と終了条件に関わってきます
2番目に選んだものをスロットⅡと言い、収入に関わってきます
3番目に選んだものをスロットⅢと言い、追加の味付けとなるものです
例えば、
スロットⅠをモジュール1の「輸送」、
スロットⅡをモジュール4の「軍事」、にした場合、
「他プレイヤーを攻撃することで収入が得られ、輸送をすることで勝利&終了に近づく」、
というゲームになります、たぶん
実際のゲームの流れや内容については、組み合わせたモジュールによって本当に様々ですので割愛します
各モジュールの大まかな内容は、最後の方に紹介します
それでは説明書について
(買った方だけに意味がある内容の為、読み飛ばしたい方はコチラ)
2つの説明書があり、左が普通の説明書、右はサマリ(以降リングサマリ)です
説明書の10〜27ページは各モジュールの詳細が書かれているのですが、基本的に見なくとも良いと思います
と言いますのも、リングサマリがとても使いやすく、インストもこれを見ながら行えば事足りるからです
インスト時はそれに加えて、説明書6~7ページの”どの遊び方であっても適用させる大前提ルール”の必要な部分をインストすれば大丈夫かと思います
上段がスロットⅠ、中段がスロットⅡ、下段がスロットⅢであり、各段には9つのモジュールのルールが書かれていますので、
各スロットで選んだモジュールのページを開けば、今回の遊び方が一目瞭然となります
左ページが主にゲーム準備に関することで、右ページがゲーム内容のルールです
組み合わせたモジュールによって、ルールの矛盾がよく発生しますので、優先順位がローマ数字により記載されています(数字が若い方が優先)
スロットⅠ〜Ⅲもローマ数字表記の為、混同しないよう注意
(もちろん私は混同して混乱しましたとも)
例えば、
指を差している3箇所は、それぞれどのマップを使うのかが記載されているのですが、
「スロットⅠは”Ⅳ:地図5”、
スロットⅡは”Ⅲ:地図3”、
スロットⅢは”Ⅳ:地図5”」
である為、スロットⅡの地図3が採用されます
次に「フェイズ○○」という表記について
こちらを見て下さい、スロットⅠに「フェイズ3C」や「フェイズ3E」と記載があります
「いきなりフェイズ3?
フェイズ1と2は??
AやBやDは???」
と疑問に思うことでしょう
飛ばされている数字やアルファベットは無視して構いません
右ページの中の、数字が若く、且つ、アルファベットも若い順でフェイズが進んでいきます
例えば右ページに、
「スロットⅠは”フェイズ3D”、”フェイズ3G”、
スロットⅡは”フェイズ1C”、
スロットⅢは”フェイズ3B”、”フェイズ5”」
と記載があった場合、フェイズは、
「1C→ 3B→ 3D→ 3G→ 5」
という順でフェイズを行います
あと、フェイズの数字によって全員一斉に行うフェイズなのか否かが決まっています
フェイズ1・2・4・5が全員一斉で、3は各プレイヤーへ手番が巡っていきます
例えば、先程の例のフェイズの流れである、
「1C→ 3B→ 3D→ 3G→ 5」
を実際の細かい流れで見ていくと、
「フェイズ1Cを全員一斉に行う
フェイズ3で、順番に手番が1巡以上まわる
手番では、3B、3D、3G、と順に行う
フェイズ5を全員一斉に行う」
となります
この色付きのアイコンは、そこに示されている特定のモジュールと組み合わせた場合にのみ、その右のルールを適用させる、を意味します
例えば、
「1.Ⅲ」とあれば「モジュール1がスロットⅢの時に限り」で、
「9.Ⅱ」とあれば「モジュール9がスロットⅡの時に限り」
という意味です
このアイコンは、住人コマというものを使わないルールになった場合にのみ、その右のルールを適用させる、を意味します
説明書内でよく出て来るコンポーネントや用語について
各プレイヤーが受け持つもので、最初の拠点となる
各プレイヤーが受け持つもので、マップ上に配置していって自分の活動範囲を広げていく
各プレイヤーが受け持つもので、自分の手足となる存在で、マップ上を縦横無尽に駆け巡らせるコマ
マップ上で立っている状態の住人のことをいう
この住人は未行動であり、移動などの何かしらの行動を起こさせる事が出来る状態
行動を起こさせると次に説明する「疲弊」状態になることが多い
マップ上で寝ている状態の住人のことをいう
この住人は行動済みであり、もう何かしらの行動を起こさせる事が出来ない状態
次のラウンドになる時に、自動で全ての疲弊住人がアクティブになることが多い
司令部コマ、基地コマ、住人コマの総称
最後にモジュールの大まかな内容について
(モジュールの組み合わせによっては、違うルールになったりもしますので、あくまで大体のイメージと捉えて下さい)
モジュール1: 「輸送」
トラック駒を使ってマップ上を駆け巡り、各都市が必要としている物資を届けてあげたり、人コマを目的地まで送り届けてあげたりする、いわゆるピック&デリバリーのシステムです
輸送する事で収入を得られるのですが、
その物資の換金レートがガクッと下がり、他の物資の換金レートが微増します
換金レートが高いものは誰しも狙っているので、レートが下がる前にいち早く届ける事になります
移動力や積載量をグレードアップする要素もあります
モジュール2: 「競争」
誰よりも早く行動する事で優位性を得られるシステムです
モジュール3: 「特権」
特権カードというものが登場し、そのカードを購入すれば様々な特殊効果を引き起こしてくれます
例えば、
- ゲーム終了時に追加の 勝利点 を得る
- 収入時に増額される
- コストが必要な時にそれが安くなる
- 性能値がアップする
などです
モジュール4: 「軍事」
他プレイヤーを直接攻撃して蹂躙し、自分の領土を拡大していく事で優位性を得ていく攻撃的なシステムです
戦闘は、モジュールの組み合わせなどにより次の2つの方法に分かれます
人コマや基地コマは一個につき兵力1とし、兵力「1:1」でお互いのコマをゲームから除外していきます
「インペリアル」や「ディプロマシー」と同じシステムですね
兵力分の個数のダイスを降って、出目が3以上だったら”命中”として、命中1につき相手のコマ1個をゲームから除外します
ウォーゲームのようなシステムです
マップの各マスに自分の基地を置くことで、そのマスが自分の支配する領土となります
領土のマス数が多い程に、収入や 勝利点 が得られます
モジュール5: 「探査」
マップで真っ白いマスは未探索のマス(説明書では仮想タイルと呼称)であり、
仮想タイルを探索する事で、(ある程度)ランダムで地形タイルがそこに置かれます
探索することでも収入や勝利点を得られ、
その開拓されたマスに自分の基地コマを設置することでも、収入や勝利点が得られます
モジュール6: 「舗装」
マップ上の各マスを繋げるように置いていってその土地(マス)を保有していく事で、
地形毎の各プレイヤーの保有数を示したこのボードの自分のマーカーが上がっていきます
保有数が多ければ、収入や勝利点も多くなります
その時に、地形の種類数が多ければボーナスとして増額されます
モジュール7: 「多数」
自分の基地コマをマップ上に置いていってその土地(マス)を保有していく事で、
地形毎の各プレイヤーの保有数を示したこのボードの自分のマーカーが上がっていきます
他プレイヤーよりも多ければ、収入や勝利点も多くなります
ただし、勝利点を得た時には、マップ上にある自分のコマをそれ相応の数だけゲームから除外しなければなりません
これにより、マジョリティ争いでトップに立ち続ける事が難しくなり、終盤まで熾烈な争いが起きる事となるでしょう
モジュール8: 「生産」
このようなプラントトークンをマップ上に設置していくことで、その土地(マス)に応じた資源を獲得できます
プラントは、先に建てたプレイヤーはコストがより安く済むので、スピードも大事になります
資源は、売ることでお金を得たり、勝利点になったりします
その時に、資源の種類数が多ければボーナスとして増額されます
モジュール9: 「株式」
株式企業がいくつか登場し、プレイヤーに手番がまわってくるのではなく、各企業に手番がまわってきます
1つの企業の株をより多く保有するプレイヤーが、その企業の社長となり、社長はその企業に手番がまわってきた時にその舵取りを行います
利益を出したら株保有者に配当を行います
プレイヤーは社長になる必要は全くなく、どの企業が一番利益を出してくれそうかを見極め、その企業に投資(株を買う)して配当を受け取っていけばよいのです
勿論、自分が社長になった方がより配当が多くなりそうだと思えば社長になるべきです
「インペリアル」などと同じシステムです
モジュールは以上です
ルールはこんなところでしょうか
因みに、マップがもの凄くでかく、「86 × 86」あります
並のテーブルではとても遊べませんので注意して下さい